建築用塗料の顔料とは?種類・特徴・選び方を徹底解説【外壁塗装にも重要】
外壁塗装における色と耐久性は顔料が大きく関係します
建築用塗料における顔料の重要性
建築用塗料において顔料(pigment)は非常に重要な役割を果たします。
単に色を与えるだけでなく、塗膜の耐久性・耐候性・隠ぺい力など、建物の美観と寿命を左右する要素です。
本記事では、建築用塗料に使用される顔料の 種類・特徴・選定のポイント をわかりやすく解説します。
顔料の基本機能と建築塗料への効果
着色性:建築物のデザイン性を高める顔料の力
建築物のデザイン性を高めるために不可欠。鮮やかな色や深みを与え、美観を向上させます。
隠ぺい力(被覆力):下地を覆い隠す顔料の役割
下地を覆い隠し、均一な仕上がりを実現。隠ぺい力が高いほど、塗布回数を減らせます。
耐久性の付与:紫外線や雨から塗膜を守る顔料
紫外線・雨水・大気汚染から塗膜を守ります。耐候性の高い顔料を選ぶことで、色褪せや劣化を防止できます。
建築用塗料に使われる顔料の種類と特徴
1. 無機顔料(酸化チタン・酸化鉄・酸化クロムなど)
- 特徴: 耐候性・耐熱性に優れ、退色しにくい
- 代表例: 酸化チタン(白顔料・隠ぺい力が高い)、酸化鉄(赤・黄・黒の自然色)、酸化クロム(緑系)
- 用途: 外壁塗料や屋根塗料など、長期耐久性が求められる箇所
2. 有機顔料(フタロシアニン・アゾ系)
- 特徴: 鮮やかな色調を得やすいが、無機顔料より耐候性は劣る
- 代表例: フタロシアニンブルー・グリーン、アゾ系顔料(赤・橙・黄)
- 用途: 内装仕上げ、デザイン性を重視する部分
3. 特殊機能顔料(遮熱・防錆・蓄光など)
- 特徴: 単なる着色だけでなく機能性を持つ
- 代表例: 反射顔料(遮熱効果)、蛍光・蓄光顔料(装飾・防災用途)、防錆顔料(亜鉛粉末など)
- 用途: 遮熱塗料、防錆塗料、高機能建材
建築用塗料の顔料選定ポイント
- ✅ 耐候性の確保:外壁・屋根には紫外線や雨風に強い無機顔料を。
- ✅ 美観の持続性:鮮やかな発色を求める場合は有機顔料を。ただし退色リスクがあるため無機顔料と併用。
- ✅ コストと性能のバランス:建物の用途・求める耐用年数に応じて最適化。
まとめ:建築用塗料の顔料で美観と耐久性を両立
建築用塗料の顔料は、美観・隠ぺい力・耐候性を担う重要な要素です。
無機顔料は耐久性と耐候性、有機顔料は鮮やかな色、特殊顔料は遮熱・防錆・防災といった付加価値を提供します。
近年は、遮熱や防汚などの機能性顔料も普及し、建築塗料の可能性はますます広がっています。
建築の用途や目的に合わせて顔料を選定することで、長期的な美観維持とコストパフォーマンスの向上が実現できます。