納戸に雨漏りの跡を発見!その原因、本当に屋根だけ?
ある日、普段あまり開けない納戸の扉を開けたら、天井や壁に薄黒いシミが……。もしかして雨漏り?
多くの方がまず「屋根が壊れているのでは?」と心配になるかと思います。
もちろん、屋根が原因である可能性は非常に高いですが、実は雨漏りの原因はそれだけではありません。
この記事では、納戸の雨漏りの原因として考えられること、ご自身でできるチェックポイント、そして専門家へ相談する際の注意点などを詳しく解説します。
大切な住まいを守るためにも、ぜひご一読ください。
まず疑うべきは「屋根」- 主な原因を詳しく解説
建物の最前線で雨風を受けている屋根は、雨漏りの最も一般的な原因箇所です。
具体的には、以下のような劣化や不具合が考えられます。
- 屋根材の劣化・破損
日本の住宅で多く使われるスレート屋根や瓦屋根は、経年劣化や飛来物によってひび割れやズレが生じることがあります。
特に台風や強風の後などは注意が必要です。
また、金属屋根(ガルバリウム鋼板など)も、表面の塗膜が劣化するとサビが発生し、やがて穴が開いて雨漏りにつながるケースがあります。 - 棟板金(むねばんきん)のトラブル
屋根の頂上部分を覆っている金属の板を「棟板金」と呼びます。
この板金を固定している釘が、経年による温度変化で緩んだり抜けたりして、そこから雨水が浸入する事例は非常に多いです。
また、板金のつなぎ目を埋めているコーキングが劣化して隙間ができることもあります。 - 防水シート(ルーフィング)の寿命
屋根材の下には、雨水の最終防衛ラインである「防水シート(ルーフィング)」が敷かれています。
屋根材にわずかな隙間ができても、このシートがしっかりしていれば雨漏りは防げます。
しかし、このシートの寿命は一般的に15年~30年ほど。
劣化して硬化し、破れてしまうと、雨漏りを引き起こす直接的な原因となります。
屋根だけじゃない!見落としがちな雨漏りの原因
屋根に異常が見当たらない場合、他の場所から水が浸入している可能性を考える必要があります。
納戸の場所によっては、次のような原因も考えられます。
- 外壁からの浸水
外壁も屋根と同様に常に雨風にさらされています。
サイディング外壁の場合、ボードのつなぎ目を埋めているコーキングが劣化してひび割れたり、痩せてしまったりすると、その隙間から雨水が浸入します。
また、モルタル壁のひび割れ(クラック)や、窓サッシ周りのシーリング切れも雨漏りの原因になりがちです。 - ベランダ・バルコニーからの漏水
もし納戸の真上がベランダやバルコニーであれば、その床面の防水層が劣化している可能性があります。
FRP防水やウレタン防水などの防水層にひび割れや剥がれが生じると、そこから階下へ水が漏れ出してしまいます。
また、排水口(ドレン)に落ち葉やゴミが詰まり、プール状になった雨水が行き場を失って室内に浸入するケースもあります。 - 【要注意】雨漏りではない「結露」の可能性
特に納戸は窓がなく、空気の動きが少ないため湿気がこもりやすい場所です。
冬場など、室内と屋外の温度差が大きい時期に、壁の中や天井裏で「結露」が発生することがあります。
この結露水が時間をかけて溜まり、シミとなって現れると、雨漏りと見間違えることがあります。
「雨の日に関係なくシミが広がっている」「カビ臭さが強い」といった場合は、結露の可能性も疑ってみましょう。
雨漏りの跡を見つけたら取るべき行動
雨漏りの跡は、住まいが発している重要なSOSサインです。
雨漏りは、放置すればするほど建物の柱や梁を腐らせ、シロアリの発生原因になるなど、被害が拡大してしまいます。
跡を見つけたら、速やかに行動しましょう。
原因は屋根だけでなく、外壁やベランダなど多岐にわたるため、正確な原因究明が不可欠です。
不安な気持ちになるかと思いますが、まずは落ち着いて専門家に相談し、早期に適切な対処をすることが、あなたの大切な家を長持ちさせる最善の方法です。